プレスリリース

2023年2月7日

スマートスケープ株式会社

代表取締役 吉田  隆


総合光学機器メーカーのタムロン

CAE精度向上と900時間の工数削減」を目指し 

類似形状検索システム「SS4M」を導入


先進技術を活用したシステムインテグレーション事業を展開するスマートスケープ株式会社 (本社:東京都港区、代表取締役:吉田 隆)が提供する、類似形状検索システム「SS4M(エス エス フォー エム)」が、株式会社タムロン(本社:埼玉県さいたま市、代表取締役社長:鯵坂 司郎 以下:タムロン)に導入されたことをお知らせいたします。

導入背景

タムロンは、カメラ用レンズなど光学製品の開発・製造を行っている総合光学機器メーカーです。「SS4M」の利用部門となるR&D技術センター応用開発二部では、カメラ用レンズ樹脂製品の流動解析を行っています。CAEComputer Aided Engineering1で使用する成形条件などを考慮し、成形前シミュレーションを行い「詳細設計→CAE→金型設計→CAE→試作」というプロセスで成形不良や金型補正回数の削減を業務としています。

CAEによる成形前シミュレーションを行う際、過去の成形条件を参考にするために、まず類似部品を検索します。SS4Mを導入する前はPDM(製品情報管理)システムから手動で検索し、ヒットした類似部品の成形条件(Excelファイル)を使用していました。検索は手動で行うため、応用開発二部では、類似部品の検索に年間140時間、今後利用を予定している金型製造部門であるMTC(モールドテクノセンター)では年間6450時間の工数がかかっていました。さらに、データ数が莫大なため手動では全てを検索することが不可能でした。検索条件についても製品の名前・使用樹脂・製品重量など経験をもとに決め打ちで検索をしていました。

 

そのため、検索でヒットした類似部品の精度が低いケースも発生し、CAEの精度が落ちてしまうなどといった課題がありました。そこで、成形条件の算出の際の検索工数の削減、成型品の見積作成の工数削減及び金型部品のCAM(Computer Aided Manufacturing)※2工数の削減、CAEの精度向上を目指し「SS4M」の導入を決定されました。

SS4M導入の決め手>

・属性登録によるデータ管理を容易に行うことができる

・操作性の良さを含め使いやすい

・自動化ができるなどプログラムの利便性が良い

 

※1:CAE/コンピュータによって支援された、製品の設計・製造や工程設計の事前検討などといったエンジニアリングの作業

※2:CAM/製品の製造を行うために、CADで作成された形状データを入力データとして、加工用のNCプログラム作成などの生産準備全般をコンピュータ上で行うためのシステム

SS4Mの導入でCAE精度向上と900時間の工数削減を目指す

 

今回「SS4M」導入することで、全3Dデータと成形条件を「SS4M」に自動で追加することができ、今までのようにExcelデータを参照しなくとも「SS4M」だけでCAEで必要なパラメータを得ることができるようになります。さらに全データを対象に類似部品の検索ができるため、より正確な成形条件の算出が可能です。

<想定している導入効果>

SS4M」を応用開発二部とMTCで導入することにより、年間900時間の工数削減が見込まれます。

 

・応用開発二部での類似形状検索にかかる時間

導入前:年間140時間 → 導入後:年間約47時間 (さらに9時間程までに減らせる見込みあり)

  ※SS4M導入による工数削減効果は約93時間

 

MTCでの類似形状検索による金型見積もり工数とCAM工数

導入前:年間6450時間 → 導入後:年間約5643時間

   ※SS4M導入による工数削減効果は約807時間

【株式会社タムロン ご担当者の声】

トライアルにて過去3年ほどのデータをインプットしましたが、かなりの精度にて類似品を検索することができました。今後は弊社にある3Dデータを全てインプットすることによって、より解析の精度を向上できるのではないかと期待しております。(応用開発二部/S氏)

■類似形状検索システム SS4M とは

類似形状検索システム SS4M は、データベース内のモデル群から形状が似ているモデルを探し出すことができ、過去の設計・製造ノウハウを再利⽤することにより、設計、製造、購買、⾒積などの業務の⽣産性を向上させるためのツールです。蓄積された 3D CADデータ群から、類似した形状を検索、 3Dモデル表⽰し属性情報などの確認をすることが出来ます。

 

URLhttps://www.3dpdf.jp/ss4m/

SS4Mの概要

AI(機械学習)を活用した類似形状検索システム

3D CADファイルから作成した画像から抽出した特徴をテキスト (Visualワード)化して作成したデータベースにより類似形状検索システムを実現しています。

 

類似形状データベースの自動作成

過去の3D CADファイル群から機械学習に必要な多視点画像をプログラムより自動作成します。 3D CADファイルを所定のフォルダにコピーする以外、人手は一切必要ありません。

 

10種類以上の3D CADデータに対応

様々な3D CADファイルから類似形状検索データベースを作成することができます。3D CADファイルさえ準備すればよく、PDM/PLMCADシステムなどは必要としません。

【ライセンス形態】

<サーバーライセンス>

  サーバー上の構築された類似形状検索データベースにネットワーク経由でWeb ブラウザからログインして利用します。接続端末数に制限はありません。

■株式会社タムロンについて

一眼レフ・ミラーレスなどの一般ユーザー製品から、監視カメラ・車載用レンズユニットなどの産業分野製品に至るまで幅広く手掛けている総合光学機器メーカーです。

 

社名           : 株式会社タムロン

代表者    : 代表取締役社長 鯵坂 司郎

設立     :19521027

所在地    :埼玉県さいたま市見沼区蓮沼1385番地

従業員数  :〈単体〉966名 〈連結〉4,098名(202112月末)

資本金     : 6923百万円(20211231日現在)

事業内容   : 光学機械器具・レンズ製造、ならびに販売

 U R L      : https://www.tamron.co.jp/

 

【本件に関するお問い合わせ先】

スマートスケープ株式会社

デジタライゼーション事業部 ビジネス開発部

e-mail: p-sales@smart-group.co.jp